偏頭痛

 

 

1)偏頭痛とは

偏頭痛は「片頭痛」とも呼ばれています。日本では、現在4人に1人が「頭痛持ち」といわれ、日本人の8.4%、約840万人、男性よりも女性に多くみられ(約3.6倍)、30歳代の女性では5人に1人が頭痛に悩まされているとされています。多くのケースで、1020歳代で初めて経験し、その後に同じような頭痛が繰り返し起こる、いわゆる「頭痛持ち」の状態になっていきます。通常1度頭痛が起こると、数時間から長い人では3日間悩まされることもあります。偏頭痛の症状として、片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、脈を打つように「ズキンズキン」と痛むのが特徴で、通常472時間続きます。頭の両側や後頭部が痛むこともあり、繰り返し起こる頭痛(慢性頭痛)のなかでも、悪心・嘔吐を伴うことが多く、日常生活が困難になる原因になり得るため、解決方法を探している人がたくさんいます。

激しい頭痛の中には、くも膜下出血・脳腫瘍・脳出血・髄膜炎などに悪化するリスクもあるので、発熱・痛みの強さ・手足の痺れ・痙攣・意識がもうろうとする、などの症状が出た場合はすぐに病院での救急対応を受けましょう。

 

2)偏頭痛の誘因

気圧や温度の変化、寝不足、ストレス、スマホやパソコンの利用による目の疲れ、緊張、生理などが誘因となるケースがほとんどです。

例えば、責任やストレスの重い仕事をやり終えたとき、大きな悩みから解放されたときなど、緊張感がゆるまった時など、ホッとした瞬間に、偏頭痛が始まるケースが良く見られます。
これは、ストレスがかかっている間は緊張によって収縮していた血管が、リラックスすることによって一気に拡がるためだと考えられています。

実際のところ、平日は何でもないのに休日になった途端に、朝から偏頭痛に悩まされるという人も多くなります。休みの日はなかなか起きられず、さらに食事を抜くことで低血糖になり、頭痛発作が起こりやすくなる悪循環も多く、このような頭痛を「週末頭痛」と呼びます。

アルコール(特にワイン)やチョコレート、亜硝酸、チラミン、アスパルテーム、グルタミン酸ナトリウムを含むキムチ、レバー、ソーセージ、ココア、チーズ、スナック菓子なども偏頭痛を誘発しやすい食品とされています。

 

3)偏頭痛のメカニズム

頭蓋内血管が刺激を受け、その血管が拡張するために起こる炎症が原因とされ、脳が興奮状態になることで頭痛が引き起されると考えられています。

何らかの原因で脳の血管が拡張し、その周囲を取り巻いている頭の中で一番大きな神経である「三叉神経」が圧迫されて刺激を受けると、刺激を受けた三叉神経から、神経ペプチドとよばれる「痛みの原因となる物質」が放出され、血管の周りに炎症が起こります。その後、さらに血管が拡張し、周りの三叉神経の刺激が増強すると、この刺激が大脳に伝わり、「痛み」として認識されることによって、頭痛を引き起こしてしまうといわれています。

その他、三叉神経からの情報が、大脳に伝わる過程で視覚や聴覚・嗅覚を司る中枢(後頭葉、側頭葉)や、吐き気をコントロールする嘔吐中枢にも刺激が伝わるため、光や音、においに敏感になり、吐き気や嘔吐といった症状が起こることもあります。

また、血管が拡張する原因のひとつに、「セロトニンの過剰な放出」が考えられています。

過度のストレスにより脳が刺激を受けると、血液成分のひとつである「血小板」から、血管を収縮させる作用をもつ「セロトニン」が大量に放出され、脳の血管が収縮します。時間の経過とともにセロトニンが分解・排泄されて減少すると、収縮していた血管が今度は反動で急激に拡がることにより、頭痛が起きてしまう場合もあります。

 

4)偏頭痛の対処法

頭痛が長引いてしまうと、さらに刺激を呼ぶといった悪循環になるため、痛みが軽いうちに早めに対処することが大切です。

偏頭痛の薬の1つに、痛み始めより 30分以内に服用すると、効果が高いと言われているマクサルトというリザトリプタン成分の錠剤があります。

マクサルトは、血管炎症を抑制する作用により速やかに頭痛を改善する治療薬です。マクサルトは悪心や嘔吐、光過敏、音過敏などの随伴症状にも改善効果が認められており、適切なタイミングで飲めば辛い症状を防ぐこともできる薬だとされています。

水を不要とし、いつでもどこでも服用できるマクサルトRPD錠(口腔内崩壊錠)などもその一つです。服用量は1回10mgを頭痛発現時に服用することができます。効果が不十分な場合は前回の投与から2時間以上あけ追加投与することができます。1日の最大投与量は20mgですので、多くても1日2錠までの服用に制限するようにしてください。

マクサルトの副作用として、無気力・疲労・倦怠感・高血圧・動悸などの報告があり、重大な副作用としてはアナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状、不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状、頻脈(WPW症候群における)、てんかん様発作、血管浮腫、中毒性皮壊死症、呼吸困難、失神が報告されています。

そのため服用前には医師に相談し、治療薬の体に対する向き・不向きを把握しておく必要があります。

また月に10回以上(週に2~3回以上)の頻度で薬を使用していると「薬物乱用頭痛」に陥る危険性が高まりますので注意する必要があります。